シックハウス症候群とは?
よく聞くシックハウス症候群とは、住宅や建物内の空気汚染によって引き起こされる健康障害です。
新築やリフォーム後の建物で特に問題となり、建材や家具から揮発するホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどの化学物質が主な原因です。
これらの化学物質を長期間吸入することで、頭痛やめまい、アレルギー反応などの症状が現れることがあります。
特に免疫力が未発達な子どもや高齢者にとって、シックハウス症候群は深刻な健康リスクとなります。しかも、慢性的の症状が起きるので早期の対策が必要とされています。
シックハウス症候群の事前情報提供の現状
シックハウスの実態
新築やリフォームを行う際に、施工会社や建築会社がシックハウス症候群についての情報を事前に提供することは、近年では増えてきています。
しかし、すべての業者が一貫して十分な情報提供を行っているわけではありません。主な原因として、シックハウス症候群に対する認識の差や法規制の厳しさの違いが挙げられます。
シックハウス症候群は住宅内の空気汚染による健康障害であり、特に子どもや高齢者にとって深刻なリスクとなります。
自宅に使う材質などは、建ててしまったら取返しがつかないので、より慎重にならなけれはならない事項なのです。
法規制やガイドラインが整備されつつありますが、消費者が積極的に情報を収集し、適切な対策を講じることが重要です。建材や家具の選定、換気システムの導入、施工後の換気と空気清浄機の使用などを通じて、健康的な住環境を維持することができます。
法規制やガイドラインが整備されつつありますが、消費者が積極的に情報を収集し、適切な対策を講じることが重要だと思います。
普通自宅を建てる時には、将来の楽しみしかないので、このような否定的な事は建築会社との話の話題になりにくいと思います。
シックハウスの原因は、ビニールクロス、フローリングや、家具などとも言われています。
これらに含まれている有害物質が室内に蔓延してくるのです。
しかも、これらの有害物質は長く揮発する為、慎重な材質選びをしなければならないとも言われています。
空気清浄機が室内空気を綺麗にする3つの方法
シックハウス症候群の予防には、空気清浄機の使用が非常に効果的です。
空気清浄機は、空気中の有害物質やアレルゲンを除去し、清潔な空気を提供します。
特にHEPAフィルターを搭載した空気清浄機は、微細な粒子や化学物質を効果的に捕捉するため、シックハウス症候群の症状を軽減するのに役立ちます。
また、空気清浄機は季節性のアレルギーにも効果があり、花粉やホコリを除去することで快適な室内環境を保つことができます。
空気を綺麗にする3つの方法とは
実は、空気清浄機は様々なものがありますが、空気を綺麗にする方法は主に3つの方法があるです。
それが、以下です。
1. ファン集じん方式
この方法では、空気清浄機内部のファンを回転させて室内の空気を吸い込み、フィルターを通して浮遊物を捉えるという非常に分かりやすいやり方で空気を綺麗にします。
- 特徴
- 花粉、ホコリ、ハウスダストなどの浮遊物を効果的に除去
- 空気中の汚れや浮遊物を呼ぶ能力が高い
- コンパクトなモデルが多い
2. 電気集じん方式
この方法では、空気中の浮遊物を帯電させてフィルターに吸着させる仕組みで静電気でほこりをくっつけるというイメージが分かりやすいかもしれません。
- 特徴
- 静電気を利用して浮遊物を帯電させ、反対の電荷を持つフィルターに吸着
- ファン集じん方式と比べて集じん性能はやや劣る傾向がある
3. イオン方式
このようにして、イオンの力を利用して空気浮遊中の遊物質を分解処理します
- 特徴
- ニオイ物質の酸化・分解や除菌、ウイルスの不活化に効果
- フィルターを使わずにイオンの力で空気を浄化
以上のように3つの方法がありますが、
一般的には、室内に存在する有害な物質(VOC)は20種類以上もあるので、それらの有害を除去するにはファン集じん方式が一番効果的だと考えられています。
家庭用空気洗浄機のVOC除去性能の実態解明という論文からでも垣間見ることができます。
ファン集じん方式が最も効果的な理由
以下に、この見解を裏付ける情報を示します:
花粉・ハウスダストの除去効果
家庭用空気清浄機の花粉除去性能に関する研究では、フィルター過過式の機種で平均85.70 (m3/h)の相当換気量が示され、花粉粒子に対する除去性能が定量的に証明されました
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ハウスダストが原因の鼻症状があるということを対象とした研究では、空気清浄機の使用によってアレルギー症状が軽減することが示されました。 具体的には、ハウスダストによる鼻アレルギーに対する臨床効果が69.2 %の有効性を示し、くしゃみおよび鼻汁が空気清浄機使用後12週間で大幅に減少しました
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ウイルスの除去効果
HEPAフィルターを搭載した空気清浄機に関する研究では、空気中のウイルスを低減させる効果が明らかになっています。
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臭いの除去効果
空気清浄機の消・脱臭性能に関する研究では、3種類の空気清浄機を用いてアンモニアの除去実験が行われ、どの空気清浄機も臭気強度を低下させることが確認されました
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カビの除去効果
空気清浄機によるカビ細胞の除去効果を調査した実験では、1時間で対照の約1/10にカビ細胞(生菌)を減少させる効果が認められました
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このような結果からもファン集じん方式が非常に効果が高い事がわかりますが、更に、そのフィルター式の空気洗浄機の仕組みを次にみていきましょう。
ファン集じん方式の空気清浄機の選び方(数値をチェック!)
空気清浄機を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
まず、HEPAフィルターの有無を確認することが重要です。
HEPAフィルターは、0.3ミクロン以上の微粒子を99.97%除去する能力があり、シックハウス症候群の原因となる化学物質を効果的に捕捉します。
次に空気清浄機の空気浄化能力を確認します。
数値が高いほど効果的です。
また、運転音の静かさや省エネ性能も重要なポイントです。
最後に、部屋の広さに適したサイズの空気清浄機を選び、効果的に空気を浄化しましょう。
CADRとは
CADR(クリーンエアデリバリーレート、Clean Air Delivery Rate)は、空気清浄機の性能を評価するための指標です。これは、1分間に供給される清浄な空気の量を示し、数値が高いほど空気清浄機の性能が高いことを意味します。CADRは、アメリカ、カナダ、韓国などで広く使用されており、米国家電製品協会(AHAM)によって規定された規格に基づいています。
CADRの評価基準
CADRは、煙、ホコリ、花粉の3つの異なる粒子に対して測定されます。
- 煙: 0.09~1.0μmの粒子
- ホコリ: 0.5~3μmの粒子
- 花粉: 5~11μmの粒子
これらの粒子がどれほど効率的に除去されたかを示す数値がCADR値です。例えば、煙のCADR値が高い空気清浄機は、ウイルスやタバコの煙の除去に優れています。
このようにあCADRの数値が高けれはば高いほど、効果はあります。
CADRは、空気清浄機の性能を比較するための重要な指標であり、消費者が最適な製品を選ぶ際の参考になります。
シックハウス症候群対策におすすめの空気清浄機を5つ紹介します。
最新の情報に基づいて、シックハウス症候群対策におすすめの空気清浄機を5つ紹介します。
シャープ KI-RS50-H
プラズマクラスター25000技術を搭載し、空気中のウイルスやカビを除去する能力が高いです[1]。薄型スリムボディで設置場所を選ばず、加湿機能も備えています。温度・湿度・電気代のモニター機能も便利です。
パナソニック F-PXV60-W
ナノイー技術を採用し、花粉やPM2.5などの微細な粒子を効果的に除去します[1]。奥行きわずか208mmのコンパクト設計で、壁際設置も可能です。静音性にも優れており、寝室での使用にも適しています
ブルーエア Blue Max 3450i
360°全方向から吸引可能で、低電力消費ながらパワフルな空気清浄能力を持っています
HEPASilentテクノロジーにより、0.1μmの微粒子を99.97%除去できます。スマートフォンアプリとの連携機能も便利です
アイリスオーヤマ KAP-KH351-W
スチーム式加湿機能と空気清浄機能を兼ね備えたモデルです。
活性炭フィルターとHEPAフィルターの組み合わせで、臭いや微細な粒子を効果的に除去します。イオン発生器も内蔵されており、マイナスイオンを発生させる機能も備えています。
これらの空気清浄機は、最新のテクノロジーを採用し、シックハウス症候群の原因となる有害物質やアレルゲンを効果的に除去する能力を持っています。
ただし、空気清浄機の使用だけでなく、定期的な換気など他の対策と併用することが重要です。
下記で空気洗浄機の実態もお伝えします。
空気清浄機の設置とメンテナンス
空気清浄機の効果を最大限に発揮するためには、適切な設置場所と定期的なメンテナンスが重要です。
空気清浄機の設置とメンテナンスに関する具体的な例を3つ紹介します。
1. 設置場所の選定
空気清浄機の設置場所は、効果を最大限に引き出すために非常に重要です。
- 場所の選定: 空気清浄機は部屋の中央や、空気の流れが良い場所に設置するのが理想的です。壁際や家具の陰に置くと、効果が半減することがあります。
- 高さの調整: 床上30~50cmの高さに設置すると、床に溜まりやすいハウスダストや花粉を効率的に吸引できます。
- 障害物の回避: 空気清浄機の周りに障害物を置かないようにし、吸引口や排気口が塞がれないように注意します
2. 定期的なフィルターの掃除と交換
空気清浄機の性能を維持するためには、フィルターの定期的な掃除と交換が必要です。
- 掃除の頻度: フィルターの掃除は2週間から1ヶ月に一度行うのが一般的です。加湿機能付きの場合は、タンクの水を毎回交換し、給水の度にタンク内を掃除します[1][6]。
- 掃除方法: フィルターを取り外し、掃除機でホコリを吸い取ります。フィルターが汚れている場合は、水洗いして乾燥させます。加湿フィルターやトレーも定期的に洗浄し、水垢やカビを防ぎます[1][6][8]。
- 交換の目安: フィルターの交換時期はメーカーや使用状況によりますが、一般的には1年から2年に一度の交換が推奨されています。フィルターの劣化を感じたら早めに交換しましょう
3. メンテナンスのポイント
空気清浄機の効果を最大限に引き出すためのメンテナンスのポイントをいくつか紹介します。
- 本体の清掃: 本体外部は柔らかい布で拭き取ります。汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めた水で拭き取りますが、タワシなどの硬い道具は使用しないようにします
- センサーの清掃: ホコリやPM2.5センサー用の空気取入れ口のカバーを外し、乾いた綿棒でレンズを拭きます。ホコリが溜まっている場合は、掃除機の隙間ノズルで吸い取ります
- 加湿タンクの管理: 加湿機能付きの場合、タンク内の水を毎回交換し、タンクや加湿フィルターを定期的に洗浄します。これにより、水垢やカビの発生を防ぎます
これらの設置とメンテナンスのポイントを押さえることで、空気清浄機の性能を最大限に活用し、清潔で健康的な室内環境を維持することができます。
設置場所は、部屋の中央や空気の流れが良い場所が理想的です。 壁から少なくとも数十センチ離して設置することで、空気の循環が良くなり、効果的に空気を浄化できます。フィルターの交換や清掃は、メーカーの指示に従って定期的に行いましょう。 フィルターが汚れていると、浄化能力が低下するため、注意が必要です。 |
空気洗浄機の実態
空気清浄機の性能は、ファン集じん方式なでど素晴らしいと評価されたものも沢山あります。しかし新建材で住まいを作った場合、床・壁・天井の四方八方から有害な物質(VOC)が常に攻めてくるので、空気洗浄機だけで全てカバーすることは非常に難しいのが現状です。
どんなに空気清浄機の性能がよくても、空気清浄機が空気を綺麗にする前に、人間が有害な化学物質に囲まれているという事は忘れてなりません。
空間自体を洗浄するという方法
建物ができてしまっていて、すでに有害物質を揮発させる材質を使っている場合には、揮発された有害物質自体とを緩和させる空間自体を洗浄する方法もあります。
空気洗浄機と併用して空間自体を洗浄するという包括的な対策を今後取っていく必要があるでしょう。
関連記事はこちらです。
シックハウス症候群に効果的な空気清浄機の選び方とおすすめ機種 まとめ
シックハウス症候群を防ぐためには、空気清浄機の使用が非常に効果的です。
空気清浄機は、空気中の有害物質やアレルゲンを除去し、清潔な空気を提供します。HEPAフィルターを搭載したモデルを選び、適切な設置とメンテナンスを行うことで、効果を最大限に引き出すことができます。
今回紹介したおすすめの空気清浄機を参考にして、快適で健康的な住環境を実現してください。
しかし、シックハウス症候群の対策として空気清浄機は重要な役割を果たしますが、それだけでは十分ではありません。包括的な対策を講じることで、シックハウス症候群のリスクを大幅に減少させることができます。
具体的には
- 換気システムの導入や日常的な換気
- 低ホルムアルデヒド建材や自然素材の使用
- 適切な湿度管理
- 定期的な清掃とメンテナンスなどが効果的です。
- 空間自体を洗浄させる施工法方法もある
これらの対策を組み合わせることで、健康的で快適な住環境を実現し、シックハウス症候群のリスクを最小限に抑えることができます。